面接での正しい一人称は?「わたし」と「わたくし」の使い分けと敬語マナー
転職活動の面接において、面接官に好印象を与えるためには、身だしなみや受け答えの内容だけでなく、正しい言葉遣いも非常に重要な評価ポイントとなります。その中で、多くの転職者が面接本番で迷いやすいのが、「わたし」や「わたくし」といった、自分を指し示す一人称の選び方です。普段の生活で何気なく使っている一人称も、ビジネスという公的な場においては、相手に与える印象を大きく左右する要素となります。本記事では、面接の場にふさわしい一人称の選び方と、言葉遣いの基本マナーについて、詳しく解説します。
面接の場にふさわしい一人称とは
ビジネスシーンにおける一人称は、相手への敬意を示すための重要なツールです。面接というフォーマルな場において、男女問わず使用できる適切な一人称について解説します。
最も丁寧で確実なのは「わたくし」
面接という、企業と応募者が初めて公式に対面する場において、最も丁寧であり、面接官に確実な安心感を与える一人称は「わたくし」です。「わたくし」は、謙譲の意を含む最もフォーマルな表現であり、年齢や性別を問わず、ビジネスの場において最も適した一人称とされています。特に、金融業界や公務員、あるいは歴史のある堅い社風の企業を受ける際や、役員クラスとの最終面接などにおいては、「わたくし」を使用することで、高いビジネスマナーを備えた人物であるという印象を与えることができます。
「わたし」でもマナー違反にはならない
「わたくし」が最も丁寧である一方で、「わたし」を使用することがマナー違反になるわけではありません。「わたし」は、ビジネスシーンでも一般的に広く使用されている一人称であり、特に20代などの若手層や、IT企業、ベンチャー企業といった比較的フラットな社風の企業であれば、「わたし」を使っても、全く問題なく受け入れられます。重要なのは、「わたくし」という言葉を使い慣れておらず、面接中に何度も噛んでしまったり、不自然な間が空いてしまったりするよりは、言い慣れている「わたし」を堂々と使用した方が、結果として相手に良い印象を与えるケースが多いということです。
面接で避けるべき一人称とその理由
一方で、日常会話では頻繁に使用していても、面接という公的な場では不適切とみなされる一人称が存在します。これらを無意識に使ってしまうと、マイナスの評価に直結するため注意が必要です。
「僕」や「俺」が不適切な理由
男性が普段の生活でよく使用する「僕」や「俺」は、ビジネスの場においてはカジュアルすぎる表現であり、面接で使用するのは厳禁です。「俺」は論外として、「僕」に関しても、親しい間柄や社内のフランクな会話では許容されることがありますが、面接官という目上の立場であり、かつ初対面の相手に対して使用すると、「学生気分が抜けていない」「ビジネスマンとしての自覚が足りない」と判断されるリスクが非常に高くなります。
「自分」という表現にも注意が必要
体育会系の出身者などに多く見られる「自分」という一人称も、面接では避けるべきです。「自分は〜と考えます」といった表現は、一見すると謙虚でハキハキとした印象を与えるように思われがちですが、正しいビジネス敬語ではありません。また、「あたし」や「うち」といった女性が使いがちな表現も、公的な場にはふさわしくないため、必ず「わたくし」か「わたし」に修正して臨む必要があります。
面接中の言葉遣いで意識すべきポイント
適切な一人称を選んだ上で、面接全体を通して美しい言葉遣いを保つために、意識すべきポイントを解説します。
一人称は統一して使用する
面接の途中で、「わたくし」と「わたし」が混在したり、うっかり普段の「僕」が出てしまったりすると、聞き手である面接官は、言葉のブレに違和感を覚えます。最初に「わたくし」と決めたら、最後まで「わたくし」で統一することが大切です。緊張すると、どうしても普段の口癖が出やすくなるため、模擬面接などを通じて、正しい一人称を意識せずに使えるレベルまで練習を重ねておくことが重要となります。
語尾までしっかりと丁寧語で結ぶ
一人称を正しく使えていても、文末の語尾が曖昧になったり、「〜っすね」のように崩れた表現になってしまっては、せっかくの丁寧な一人称が台無しになります。「〜です」「〜ます」といった丁寧語を、文末までしっかりと発音することを心がけてください。主語である一人称と、述語である語尾の敬語表現が正しく組み合わさることで、初めて、相手に対する深い敬意と、ビジネスパーソンとしての高い品格を伝えることができます。





