楽天トラベルの営業職へ転職する面接対策と採用選考のポイント
国内最大級のオンライン旅行予約サイト(OTA)として、全国のホテル、旅館、民泊から航空券・高速バス・レンタカー予約に至るまで強大なトラベルプラットフォームを誇る「楽天トラベル」。
1億人を超える楽天エコシステム(経済圏)の会員基盤、楽天ポイントプログラムによる強力な送客力、そして宿泊施設向けのデータ分析システムを武器に、日本の観光立国推進や地方創生において中核的な役割を担っています。
楽天トラベルの営業ポジションには、全国各地の宿泊施設を直接担当して売上最大化を伴走支援する「ITC(インターネット&トラベルコンサルタント/コンサルティング営業)」をはじめ、未加盟施設の新規開拓営業、航空会社や鉄道・バス会社等との提携を推進するアライアンス営業、法人向けの出張手配(BTM)やMICEを提案する法人営業など、複数の職種が存在します。
メガベンチャーならではのスピード感、充実した福利厚生、そして観光DXを最前線で推進する事業規模の大きさに惹かれ、中途採用市場において非常に高い人気を集めています。
しかし、楽天トラベルの採用面接において、「旅行が好きだから」「楽天経済圏の強みがあるから」といった表面的な志望動機を述べるだけでは、面接官を納得させることはできません。
楽天グループが掲げる行動指針「楽天主義」や「Get Things Done(最後までやり切る力)」への適応、感覚ではなく数字に基づいたデータドリブンな思考力、そして多忙な宿泊施設オーナーや経営者と対等に対話できる提案力を論理的に語ることが不可欠です。
楽天トラベル営業の仕事内容、面接官が注視する評価基準、採用選考を突破するための志望動機の組み立て方、頻出質問への具体的な対策法を整理します。
楽天トラベル営業の中核「ITC(トラベルコンサルタント)」の役割
採用面接で的確な受け答えをするためには、楽天トラベルにおける中核営業ポジションである「ITC(コンサルティング営業)」が現場でどのような役割を果たしているのかを正しく把握しておく必要があります。
1. 単なる広告・枠売りではない「宿泊施設の経営コンサルティング」
ITCの役割は、自社サイトの広告枠を販売することではありません。担当エリアのホテルや旅館に対し、楽天トラベルの管理画面から得られるビッグデータ(PV数、転換率、予約単価、検索経路、キャンセル率、競合施設の動向など)を多角的に分析します。「どのような客層をターゲットにすべきか」「競合施設と差別化できる宿泊プランは何か」「適切なダイナミックプライシング(価格設定)はいくらか」を施設側へ提示し、宿泊施設の売上拡大(取扱高向上)を二人三脚で目指します。
2. 楽天スーパーSALEや全国キャンペーンと連動した企画提案
四半期ごとに開催される「楽天スーパーSALE」や、自治体の観光プロモーション・クーポン事業と連動し、参画プランの企画や集客強化施策を提案します。 限られた販売期間の中で予約数を最大化させるため、事前の仕込みから期間中の在庫・プラン調整に至るまで、スピード感を持ったディレクションを行います。
3. 経営層(支配人・女将・オーナー)との深いパートナーシップ
営業先となるのは、ホテルの総支配人やウェブ担当者、旅館の女将やオーナー経営者です。 長年培われた現場のこだわりや地域の伝統を尊重しつつも、客観的なデータを用いて「なぜこのプランや価格設定が必要なのか」を納得してもらう、高い対人関係構築力とビジネス対話力が求められます。
採用面接で面接官が見極めている3つの重要評価基準
中途採用面接では、前職での実績そのもの以上に、楽天特有のカルチャーに適応し、即戦力として自走できるかどうかが厳しく審査されます。
1. 「楽天主義」と「Get Things Done(やり抜く力)」の実践度
楽天の組織文化の根底には、「常に改善、常に前進」「何が何でもやり切る(Get Things Done)」という強い当事者意識が根付いています。目標達成に向けた執着心を持ち、厳しい状況に直面しても言い訳をせず、「どうすれば突破できるか」を論理的・行動的に考え抜ける人物かが問われます。前職において、高い目標を達成するためにどのような試行錯誤を重ねたのか、プロセスの再現性が厳密に見極められます。
2. 数字から仮説を導き出す「データドリブンな思考力とPDCAの速さ」
直感や気合だけに頼った営業スタイルは通用しません。「現状の数値をどう分析し、どこにボトルネックを見出したのか」「その課題に対してどのような仮説を立て、どのようなアクションを実行したのか」を論理的に説明できるロジカルシンキングが求められます。また、立てた施策が失敗した際にも、素早く改善サイクル(PDCA)を回して次の手を打てるスピード感が不可欠です。
3. 多忙な宿泊施設を動かす「傾聴力と合意形成力」
宿泊業界は慢性的な人手不足やオペレーションの多忙さに直面しています。営業担当者が自社の都合を押し付けるような提案を行っても、施設側は動いてくれません。「施設の強みや課題、経営者の想い」に真摯に耳を傾け、相手のメリットを明確に言語化した上で行動を後押しできる、泥臭く誠実なコミュニケーション能力が評価されます。
面接で響く「楽天トラベルならでは」の志望動機構築法
競合する他のOTA(一休、じゃらん、Booking.com、Expedia等)や一般旅行会社がある中で、「なぜ楽天トラベルなのか」を明確に言語化することが選考通過の決定打となります。
- 楽天エコシステム(経済圏)をテコにした送客力への共鳴: 単一の旅行予約サイトとしてだけでなく、楽天カード、楽天市場、楽天ペイといったグループ全体の会員基盤とポイントプログラムを活用し、他のOTAでは成し得ない規模感で全国の宿泊施設を潤わせることができるインフラとしての強みを語ります。
- 伴走型のコンサルティング営業モデルへの共感:「枠を売って終わり」の代理店営業ではなく、宿泊施設の経営指標(取扱高・稼働率)に深く踏み込み、データを用いて施設の売上成長にコミットできるITCの介在価値に惹かれた理由を論理的に伝えます。
- これまでの経験のポータビリティ:他業界(金融、メーカー、不動産、人材、Web広告など)の営業出身者であっても、「目標達成に向けた行動量と泥臭い執着心」「顧客の課題を数値から分析した経験」「経営層との信頼関係構築力」を提示し、入社後に即戦力として成果を出せる根拠を示します。
面接で想定される質問と回答のポイント
楽天トラベルの営業職における中途採用面接で頻出する質問について、面接官の意図と好印象を与える回答の方向性を解説します。
他のOTA(旅行予約サイト)ではなく、なぜ「楽天トラベル」なのか
- 質問の意図: 業界分析の解像度と、楽天独自のアセット(経済圏・コンサルティングスタイル)を正しく理解しているかを確認しています。
- 回答のポイント: 楽天エコシステムの圧倒的な送客力と、宿泊施設に深く伴走できるコンサルティングモデルを結びつけます。「他社OTAが旅行予約という単一サービスに留まる中で、貴社は1億人を超える楽天エコシステムの会員基盤とポイントインフラを活用し、旅行潜在層に対しても強力なアプローチができる圧倒的な集客基盤を持っている点に強く惹かれ志望いたしました。また、単にサイト上に施設情報を掲載するだけでなく、ITCが宿泊施設様のパートナーとしてデータ分析や価格戦略にまで深く踏み込み、二人三脚で売上最大化にコミットするビジネスモデルに深い介在価値を感じております。培ってきた課題解決型の営業力を発揮し、地方の魅力的な宿泊施設と全国の旅行者を結ぶ架け橋になりたいと考えております」と論理的に伝えます。
これまでの営業活動において、データや数値を活用して成果を出した経験はあるか
- 質問の意図: 楽天が重視する「データドリブンな思考力」と、論理的な課題解決プロセスの有無を測っています。
- 回答のポイント: 「現状分析」「仮説構築」「施策実行」「定量的な結果」を順序立てて具体的に述べます。「前職の法人営業において、商談成約率が伸び悩んでいた際、過去半年の失注理由と商談ログを数値化して分析いたしました。その結果、初回商談から提案書提出までの日数が4日を超えた案件の成約率が60%低下しているというデータを発見いたしました。そこで、提案書の標準化テンプレートを自ら作成し、商談翌日には提案を届ける仕組みへと改善した結果、チーム全体の成約率が15%向上いたしました。感覚に頼らず、客観的なデータからボトルネックを特定し、素早くPDCAを回す行動を大切にしております」と回答します。
高い目標や厳しい状況に直面した際、どのように乗り越えてきたか(Get Things Doneの体現)
- 質問の意図: 目標に対する執着心、ストレス耐性、そして泥臭く行動をやり切る力を見極めています。
- 回答のポイント: 他責にせず、自らの行動工夫で事態を打開したプロセスを伝えます。「四半期目標の進捗が中盤で大幅に遅れ、未達の危機に直面した経験がございます。市場環境のせいにすることなく、目標から逆算して必要なアプローチ数と商談数を再計算いたしました。既存のアプローチ方法では母数が足りないと判断し、過去に失注した顧客リストを再分析して新たな切り口での再提案を企画し、1日あたりの架電数を1.5倍に増やして泥臭く行動量を担保いたしました。その結果、月末に大型受注を2件獲得し、最終的に目標を108%で達成いたしました。困難な局面でも諦めず、最後までやり抜く姿勢を徹底しております」と説明します。
ITやWebマーケティングに不慣れな地方の宿泊施設オーナーと、どう信頼関係を築くか
- 質問の意図: 専門用語を相手に合わせて噛み砕く技術翻訳力と、相手の懐に入る対人折衝力を確認しています。
- 回答のポイント: 専門用語の排除、経営者への敬意、小さな成功体験の共有を強調します。「専門用語を並べ立てるのではなく、オーナー様が大切にされているおもてなしのこだわりや、地域の歴史に対する想いをまず謙虚に傾聴いたします。その上で、Webの複雑な仕組みではなく、『このプランを導入すると、どのような旅行者が何名訪れ、売上がいくら増えるのか』という分かりやすい言葉と具体的な数値でお伝えいたします。まずはリスクの少ない小さな改善から実行して結果を実感していただき、『相談すれば確実に成果につながるパートナー』としての信頼関係を積み重ねてまいります」と回答します。
英語力(TOEIC)への取り組み状況や、社内公用語化についてどう捉えているか
- 質問の意図: 楽天グループの共通基準(TOEIC800点等)に対するコミットメントと、学習意欲の真剣度を確認しています。
- 回答のポイント: 現在のスコアを正直に伝えた上で、具体的な学習計画と達成時期を明言します。「現在のスコアは〇〇点ですが、貴社のグローバルな情報共有スピードや多様性を受け入れる環境において、英語力は業務遂行の必須スキルであると認識しております。目標である800点の突破に向け、毎朝1時間のオンライン学習と単語・リスニングの反復演習を日課として継続しており、次回の試験で〇〇点、入社までには基準をクリアできるよう計画的に取り組んでおります」と伝えます。



