面接で質問の回答に迷った際の「考える時間」の正しいもらい方と対処法
転職活動の面接において、事前の準備では全く想定していなかった質問を投げかけられ、頭が真っ白になってしまったという経験は、多くの求職者が直面する大きな壁です。そのような焦りの中で、「すぐに何か答えなければ」と焦燥感に駆られ、しどろもどろになってしまったり、見当違いな回答をしてしまったりして、後悔するケースは後を絶ちません。想定外の質問を受けた際、面接官に対して「少し考える時間をいただいてもよろしいでしょうか」と申し出ることは、果たして選考における評価にマイナスの影響を与えてしまうのでしょうか。この記事では、面接で質問の回答に迷った際に考える時間をもらうことの是非や、面接官に悪い印象を与えないための適切なフレーズ、そして、本番で焦らずに対処するための具体的なノウハウについて、詳しく解説します。
面接で質問に対する「考える時間」をもらうことは可能なのか?
面接という緊張感のある特殊な環境下で、言葉に詰まってしまった際、どのように振る舞うべきか、まずはその基本的な考え方を整理しておきましょう。
結論:考える時間をもらうこと自体は全く問題ない
結論から申し上げますと、面接官からの質問に対して、すぐに答えが思い浮かばない時に「考える時間」を申し出ること自体は、決してマナー違反やマイナス評価に直結する行為ではありません。面接官も、応募者が緊張状態にあることは十分に理解しており、想定外の質問に対して即答できない場面があることは、ある程度想定しています。重要なのは、即答できるかどうかというスピードではなく、自らの思考を整理し、自分なりの言葉で論理的に答えようとする、真摯な姿勢を見せることです。
無言での沈黙や、焦って見当違いな回答をするより好印象
最も避けるべきなのは、質問を受けた後に無言のまま考え込んでしまい、面接室に不自然な沈黙を作ってしまうことです。面接官は、応募者が質問の意図を理解できていないのか、それとも回答を考えている最中なのか判断できず、コミュニケーション能力に不安を抱いてしまいます。また、沈黙を恐れるあまり、焦って的外れな回答をしてしまうことも、論理的思考力に欠けると判断される原因となります。これらを避けるためにも、言葉に詰まった際は、素直に考える時間をもらう意思表示をすることが、大人としての正しいコミュニケーションの第一歩となります。
面接官が考える時間から評価しているポイント
ビジネスの現場においては、顧客からの突然の要望や、予期せぬトラブルなど、即答できない状況に直面することは日常茶飯事です。面接官は、考える時間をもらうという行為そのものを減点対象とするのではなく、その想定外の事態に対して、応募者がどのように冷静さを保ち、誠実に対応しようとするかという「ストレス耐性」や「状況把握能力」を、むしろポジティブな視点で評価しようとしています。
面接官に好印象を与える「考える時間」の伝え方・フレーズ
ただ黙って考えるのではなく、面接官に対して適切なフレーズを用いて断りを入れることで、スマートな印象を与えることができます。具体的な伝え方のパターンを解説します。
素直に時間をもらう際の基本的なフレーズ
頭の中を整理したい場合や、用意していたエピソードを思い出したい場合は、焦らずに以下のフレーズを用いて、面接官の了承を得てから思考に入ります。
- 「申し訳ありません、考えをまとめるために、少々お時間をいただいてもよろしいでしょうか」
- 「想定していなかったご質問ですので、少し考えるお時間をいただけますでしょうか」
一文が長くなる場合でも、このように意味の区切りに読点を適切に配置し、面接官の目を見て、落ち着いたトーンで明瞭に話すことで、誠実な人柄をアピールすることができます。
質問の意図を確認しながら思考を整理するフレーズ
質問の内容が複雑であったり、意図が正確に掴めなかったりする場合は、質問をオウム返しにしたり、意図を確認したりすることで、会話を繋ぎながら思考の時間を稼ぐことが可能です。
- 「〇〇というご質問でよろしいでしょうか。それにつきましては……」
- 「先ほどの〇〇というお言葉は、〇〇という認識でよろしいでしょうか」
質問の意図を自ら確認する行為は、的確なコミュニケーションを図ろうとする積極的な姿勢として、高く評価されます。
今話せる内容だけを先に伝えるフレーズ
完璧な回答がまとまらなくても、現時点で自分の中に明確になっている部分だけを先に伝えることで、対話を止めずに思考を進めることができます。
- 「結論から申し上げますと〇〇だと考えておりますが、その理由について、少し考えを整理させていただいてもよろしいでしょうか」
考える時間をもらう際の適切な長さと注意点
考える時間をもらうこと自体は問題ありませんが、その時間や態度には、守るべき目安とルールが存在します。
待ってもらう時間の目安は「10秒から15秒程度」
面接官に時間をもらうよう伝えた後、実際に待ってもらう時間の目安は、およそ10秒から15秒程度が限界であると認識しておきましょう。日常生活における10秒は短く感じますが、面接という静まり返った空間においては、10秒の沈黙は非常に長く、重苦しく感じられるものです。頭の中でゆっくりと10数える間に、伝えるべきキーワードを抽出し、回答の方向性を定めることに集中してください。
長すぎる沈黙はコミュニケーション能力を疑われる原因に
いくら事前に断りを入れたからといって、30秒や1分といった長時間の沈黙を作ってしまうと、面接官の集中力は途切れ、面接全体の進行にも悪影響を及ぼします。時間をかけても完璧な回答がまとまらないと判断した場合は、潔く見切りをつけ、現時点で出せる最善の答えを紡ぎ出す決断力が必要です。
視線を泳がせず、落ち着いた態度を保つ
考えている最中の態度も、面接官にしっかりと観察されています。焦りから視線を激しく泳がせたり、貧乏ゆすりをしたり、手元をいじったりといった行動は、自信のなさや精神的な未熟さを露呈してしまいます。考える際は、伏し目がちになっても構いませんので、深呼吸をして姿勢を正し、落ち着いた態度を保つよう心がけてください。
どうしても答えが思い浮かばない場合の最終手段
10秒以上考えても、どうしても適切な回答が思い浮かばない場合や、自分の中に全く知識がない専門用語について問われた場合の、正しい対処法を解説します。
「分かりません」と素直に伝えることも一つの誠実さ
知識を問う質問など、知らないことを無理に取り繕って嘘をついたり、適当な回答をしてしまったりするのは、後から必ず矛盾が生じ、信頼を大きく失う原因となります。どうしても答えが出ない場合は、「申し訳ございません、現在の私の知識不足により、明確なお答えをすることができません。入社までに必ず勉強し、理解を深めてまいります」と、自身の不足を素直に認め、向上心をアピールする誠実な対応へと切り替えることが、傷口を広げないための最善の策となります。
完璧な回答に固執せず、自分なりの考えを述べる
正解のない質問や、価値観を問う質問においては、「完璧な回答をしなければ」という思い込みを捨てることも重要です。「その事象について直接的な経験はございませんが、前職での〇〇の経験に照らし合わせますと、〇〇のように対処すべきだと考えております」と、自身の過去の経験という引き出しから関連する情報を見つけ出し、自分なりの仮説を立てて論理的に回答することで、柔軟な思考力と応用力の高さを証明することができます。





