転職面接における上着(コート・ジャケット)の正しいマナーと扱い方
面接にふさわしい上着の選び方
転職活動において、特に肌寒い季節の面接では、スーツの上にコートなどの上着を着用して企業へ向かうことになります。上着は建物の外で脱ぐのが基本ルールですが、面接会場の周辺や受付などで、企業の担当者の目に入る可能性は十分に考えられます。そのため、ビジネスシーンにふさわしい、きちんとした印象を与える上着を選ぶことが、社会人としての最低限のマナーとなります。
ビジネスシーンに適したコートの種類と色
面接の場において最も無難であり、面接官に好印象を与える上着は、トレンチコートや、ステンカラーコート、チェスターコートといった、シンプルでフォーマルなデザインのものです。これらのコートは、スーツの上から着用してもシルエットが崩れにくく、知的で落ち着いた印象を与えてくれます。また、色については、黒、ネイビー、グレー、あるいはベージュといった、ベーシックで目立たないカラーを選ぶのが鉄則です。ダウンジャケットやマウンテンパーカー、派手な柄や原色が使われているコートは、カジュアルな印象が強すぎるため、ビジネスの公式な場である面接には不適切とされています。
ジャケット(スーツの上着)着用の基本ルール
コートの下に着用するスーツのジャケットも、面接における重要な上着の一部です。夏場の暑い時期など、企業側から「クールビズでお越しください」といった指定がない限り、面接中は季節を問わずジャケットを着用するのが基本マナーとなります。移動中は暑さを凌ぐためにジャケットを脱いで手に持っていても構いませんが、企業の建物に入る前には必ず着用し、ボタンを適切に留めてから受付に向かいましょう。男性の場合は一番下のボタンを外すアンボタンマナーを守り、女性の場合はすべてのボタンを留めるのが一般的なルールです。
企業に到着した際の上着(コート)の着脱マナー
適切な上着を選んだ後は、それをいつ、どのように脱ぐかという、立ち振る舞いのマナーが重要になってきます。企業を訪問した際のコートの着脱タイミングは、応募者の常識を測る重要なポイントです。
建物の外で脱ぐのが絶対的なルール
面接会場となる企業の建物に到着したら、必ずエントランスのドアを開けて中に入る前に、コートを脱ぐのが、ビジネスにおける絶対的なルールです。これは、外の冷たい空気や、ホコリ、花粉などを、企業のオフィス内に持ち込まないための、相手への配慮から生まれたマナーです。寒さが厳しい日であっても、建物の中に入ってから脱いだり、受付で声をかけながら脱いだりするのは、マナー違反とみなされるため、十分に注意しましょう。
正しいコートのたたみ方と持ち方
脱いだコートは、ただ無造作に腕にかけるのではなく、正しくたたんで持ち歩くことで、より洗練された印象を与えることができます。まず、コートの両肩の部分に裏側から手を入れ、表地が内側になるように、縦に半分に折りたたみます。表地を内側にすることで、外のホコリを室内に落とさないようにするという、細やかな配慮を示すことができます。その後、たたんだコートを、利き手とは逆の腕にかけ、カバンと一緒に持ちます。このように丁寧に扱う姿勢は、仕事に対しても丁寧に取り組む人物であるという、好印象に繋がります。
面接室における上着の置き方
面接室の中での上着の置き場所も、応募者が迷いやすいポイントの一つですが、ここでも明確なマナーが存在します。
カバンの上に重ねて置くのが基本
面接室に入室し、挨拶を終えて着席を促された後、手持ちのコートをどこに置くべきか迷う応募者は少なくありません。基本的には、持参した自身のカバンの上に、二つ折り、または三つ折りにして、綺麗に重ねて置くのが正しいマナーです。カバンは自分が座る椅子の横の床に置くため、その上にコートを乗せる形になります。勝手に空いている別の椅子に置いたり、自分が座る椅子の背もたれに掛けたりする行為は、横柄な印象を与えてしまうため、避けるべきです。
ハンガーを勧められた場合の対応
企業によっては、面接室にコート掛けが用意されており、面接官から「そちらのハンガーをお使いください」と勧められる場合があります。その際は、遠慮せずに「ありがとうございます」と一言お礼を述べてから、指示に従ってハンガーを使用しましょう。勧められていないにもかかわらず、自分から勝手にオフィスの備品を使うことはマナー違反となりますので、必ず面接官の指示に従う柔軟な対応が求められます。
面接終了後から退室、退出時のマナー
面接の質疑応答が無事に終了した後も、上着の扱いに関するマナーは、企業を後にするまで続きます。
退室時も腕にかけたままをキープする
面接終了の合図があったら、座ったまま感謝を述べ、立ち上がった後に椅子のお隣で再度お辞儀をします。その後、カバンと一緒にコートを手に持ちますが、この時、面接室の中でコートを着始めるのはマナー違反です。コートは綺麗にたたんだ状態のまま腕にかけ、面接官に「失礼いたします」と挨拶をしてから退室します。
建物を完全に出てから着用する
面接室を出た後も、廊下やエレベーターホールなど、企業内ではコートを着用してはいけません。入館時と同様に、社内ではきちんとした服装を保つという原則に従い、企業の建物を完全に出て、周囲の迷惑にならない場所まで少し歩いてから、コートを着用するのが正しい手順です。最後まで周囲の目を意識し、礼儀正しい振る舞いを貫くことで、面接の評価を確固たるものにすることができます。





