面接での正しい作法:社会人として信頼を得るための立ち居振る舞い
転職活動の面接において、質問に対する回答の内容と同じくらい重視されているのが、当日の「作法」です。どれほど素晴らしい職務経歴や志望動機を持っていても、入室から退室までの立ち居振る舞いが社会人として不適切であれば、採用担当者は「入社後に顧客や取引先とうまくやっていけるだろうか」という懸念を抱いてしまいます。面接は、面接官が候補者の「人となり」や「ビジネスパーソンとしての適性」を観察する場です。本記事では、面接で好印象を与えるための基本的な作法と、細かな気配りが必要なポイントについて解説します。
面接における「作法」が評価に与える影響
面接官は、あなたが話す言葉以上に、あなたの所作から多くの情報を読み取っています。作法を大切にすることは、単なる形式的なマナーにとどまらず、以下のような評価に直結します。
信頼感の醸成
整えられた身だしなみや、丁寧な挨拶、そして落ち着いた所作は、相手に対して「準備を怠らない誠実な人物」という印象を与えます。基本的な作法が身についていることは、即戦力として期待される中途採用において、ビジネス上の信頼を築くための最低条件と言えます。
組織への適応力
企業にはそれぞれの社風や文化があり、それを守ろうとする姿勢が求められます。面接の場で礼節をわきまえた行動ができる候補者は、入社後も組織のルールを尊重し、上司や同僚と良好な人間関係を築ける人物であると判断されます。
入室から着席までの基本的な流れとマナー
面接の場では、入室の瞬間からすでに審査が始まっています。以下のステップを自然に行えるように意識しましょう。
入室の作法
ドアを3回ノックし、許可を得てから「失礼いたします」と述べて入室します。入室後はドアに背を向けず、手で静かに閉めるのがスマートです。椅子の横まで移動したら、面接官の方を向き、「本日面接の機会をいただきました、〇〇と申します。本日はよろしくお願いいたします」とハキハキと挨拶をし、一礼します。お辞儀をする際は、腰から上体を30度ほど倒し、背筋を伸ばしたまま2秒ほど静止すると、非常に美しく見えます。
着席の作法
面接官から「どうぞお掛けください」と促されてから、「失礼いたします」と一言添えて着席します。カバンは椅子の横の床に置くのが基本です。背もたれには寄りかからず、背筋を伸ばし、男性は膝の上に手を置き、女性は両手を重ねて膝の上に置く姿勢が、最も姿勢が正しく知的に見えます。
面接中の所作で注意すべきポイント
面接が始まってからのちょっとした仕草も、面接官は見ています。特に緊張する場面で出やすい癖に注意が必要です。
視線と表情
話をする際は、面接官の目、あるいは鼻のあたりを適度に見るようにします。ずっと凝視し続ける必要はありませんが、伏し目がちになると自信がないように見えてしまいます。また、緊張で顔が強張ってしまう場合は、意識的に口角を上げ、柔らかい表情を保つよう心がけましょう。
手元や足元の仕草
緊張すると、足元を揺らしたり、ペンをカチカチと鳴らしたり、貧乏ゆすりをしてしまう方がいます。これらは非常に幼く、落ち着きがない印象を与えます。面接中は、手元を静かに保ち、足は揃えて床につけることで、安定感のある立ち居振る舞いを目指しましょう。
面接終了から退室までのマナー
面接が終わった後も、会社の建物を出るまでは気を抜いてはいけません。最後まで丁寧な対応を心がけることが大切です。
退室の作法
面接が終了したら、席を立ち「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました」と感謝を伝え、丁寧にお辞儀をします。ドアの前まで歩いたら、改めて面接官に向き直り、「失礼いたします」と一礼してから退出します。ドアを閉める際は、後ろ手に閉めず、最後まで丁寧に扱うことが重要です。
最後の最後まで気を抜かない
建物を出るまでは、いつどこで企業の社員とすれ違うか分かりません。ロビーやエレベーターの中、あるいは歩道で携帯電話を見ながら歩くような姿を見られないよう、企業周辺の環境に配慮した行動を心がけましょう。作法とは、単なる決まり事ではなく、相手に対する敬意を形にするものです。一つひとつの所作を丁寧に積み重ねることで、面接官からの信頼は大きく高まります。





