サントリーにおける営業企画の役割とは?業務内容・求められるスキルと面接対策を徹底解説
清涼飲料、ビール、ウイスキー、ワインなど、幅広い商品ポートフォリオを有し、国内外の生活文化を彩り続けるサントリーグループ。創業精神である「やってみなはれ」の精神のもと、強固なブランド力と現場主導の推進力で市場を切り拓いてきた同社において、営業組織全体の戦略立案や「売れる仕組みづくり」を担う「営業企画(営業推進/MD推進)」は、事業の収益基盤とブランド価値を支える要のポジションです。
飲料・酒類メーカーや消費財業界への転職を検討する営業経験者や企画職の方に向けて、サントリーにおける営業企画の位置づけ、具体的な実務内容、求められる人物像、そして採用面接を突破するためのアピールポイントについて詳しく解説します。
飲料・酒類大手サントリーにおける営業企画の位置づけ
サントリーの営業活動は、大きく分けて量販店やスーパー、コンビニエンスストアなどを対象とする「家庭用営業」と、居酒屋、レストラン、BARなどの飲食店を対象とする「業務用営業」の2つの主要チャネルで構成されています。
これらのチャネルにおいて共通しているのは、単に商品を売り込む「モノ売り」ではなく、取引先の課題解決や売上拡大に深く踏み込む「ソリューション営業」を徹底している点です。
このような環境の中で営業企画が担うミッションは、「ブランドマーケティングが描く商品戦略を、家庭用・業務用の各現場で再現性高く実行できる具体的な販売シナリオへと落とし込み、営業組織全体の提案力を底上げすること」にあります。
単なるバックオフィスの事務処理ではなく、POSデータなどの客観的なデータ分析と現場の肌感覚を融合させ、全国のセールスが自信を持って商談に臨める「勝ち筋」を設計する参謀役として機能しています。
営業企画の具体的な業務内容
担当するチャネル(家庭用・業務用)やカテゴリー(ビール、ウイスキー、RTD、清涼飲料など)によって注力領域は異なりますが、代表的な実務領域は主に以下の通りです。
1. チャネル別販売戦略の立案と目標(予算)配分
- 全社の中期経営計画やブランド方針に基づき、家庭用(スーパー、量販、CVS等)および業務用(料飲店チェーン、個店等)の販売目標を設計
- エリアや支社ごとの市場特性、過去実績を加味した売上目標・KPIの論理的な配分
- 新商品発売時やリニューアル時における全国展開シナリオおよび重点拡販スケジュールの策定
2. POSデータ・市場分析に基づく商談支援(MD・提案ツールの整備)
- 小売チェーンのPOSデータや消費者購買パネルデータを分析し、棚割り提案書やカテゴリーマネジメントプランを策定
- 業務用向けに、ドリンクの出数分析や飲食トレンドを踏まえたメニュー提案書、お酒と料理のマッチング提案資料を標準化
- 現場営業が商談で使用する提案書テンプレート、費用対効果(ROI)シミュレーションシート、導入事例集の整備
3. 販売促進キャンペーン・店頭施策の企画運営
- 季節の催事や大型連休に合わせた店頭プロモーション、ノベルティ(景品)付きキャンペーンの企画設計
- 店頭を飾る特設什器やPOP、飲食店向けの卓上POPやポスターなどの販促マテリアルの制作・ディレクション
- デジタル施策やブランド広告と連動した、購買意欲を喚起する店頭連動プランの構築
4. 営業活動の標準化とセールスイネーブルメント
- 成果を出しているトップセールスの商談ノウハウやアプローチ手順を言語化し、商談マニュアルやロールプレイング研修として体系化
- 「飲用時品質」へのこだわり(樽生ビールの注ぎ方指導や機材メンテナンス等)を、取引先へ正確に伝えられる営業教育体制の支援
- SFA(営業支援システム)を活用した商談進捗の可視化と、未達リスクに対する早期の改善策提言
求められるスキルと活躍できる人物像
採用面接や実務において高く評価される主な資質や能力は以下の通りです。
1. 「現場主義」に根ざしたデータ分析力
サントリーは「現場・現実・現物」を重んじる企業文化を持っています。机上の数字をこねくり回すだけでなく、実際の売場や飲食店の空間に足を運び、生活者がどのような表情で商品を手に取っているのかという現場感覚を持ちながら、客観的なデータ(POS等)を読み解いて打ち手を導き出せるバランス感覚が求められます。
2. 熱量と論理性を併せ持つ推進力(ロジカルな体育会系)
営業現場の士気を高める情熱や共感力を持ちながらも、施策の裏側では緻密なロジックを積み上げて組織を動かす力が不可欠です。施策の意義を情熱と数字の両面から語り、多忙な営業現場を気持ちよく巻き込める人間性が重視されます。
3. 多様な関係者をつなぐ高度な社内調整力
営業企画は、ブランドマーケティング、商品開発、製造・物流(需給部門)、現場営業、外部の制作会社など、多種多様なステークホルダーと協業します。異なる視点を持つ関係者の意図を汲み取りながら、全社の最適解に向けて粘り強く合意を形成できるコミュニケーション能力が求められます。
これまでの経験をアピールにつなげる視点
異業界や現場営業からのキャリアチェンジを目指す場合、過去の実務実績をサントリーの営業企画の要件に結びつけることが重要です。
- 消費財・食品・飲料メーカーの営業経験者:量販店バイヤーとの商談経験や棚割り提案の知見を活かしつつ、「自作の提案ツールをチームに共有して成約率を底上げした」など、組織貢献の実績を軸に据えます。
- 外食産業・流通小売の店舗運営・バイヤー経験者:実際の店舗オペレーションや消費者の購買動向を熟知している強みを活かし、「現場目線に即した実効性の高いメニュー提案や販促施策の企画」という適性をアピールします。
- 他業界の営業企画・営業推進・マーケティング経験者:データ分析によるプロセス改善やSFAの定着など、「営業組織を仕組み化して組織全体の業績を向上させた実績」を客観的な数字とともに語ります。
採用面接を突破するためのアピールポイント
中途採用面接において適性を伝える際は、「課題の構造化」「周囲の巻き込み」「客観的な数値成果」の3つのステップで整理して語ることが重要です。
「個人の成果」から「仕組み化」への意識の転換を語る
営業現場の経験を持つ場合、「自ら売上目標を達成した」という話だけでは差別化になりません。 「自分が契約を取ること以上に、自分が設計した提案フォーマットや分析データによってチーム全体の成約率が伸びる瞬間にやりがいを感じた」といった、実体験に基づいた転換点を明確に言語化します。
業務改善のプロセスを客観的な数字で説明する
過去の取り組みについて、具体的な数値を用いて論理的に説明します。
- 「店舗のPOSデータを分析して売れ筋商品を可視化した提案フォーマットを作成し、定番棚の獲得率を前年比〇%向上させた」
- 「季節販促の準備フローを標準化し、営業担当者が商談準備にかける時間を月間〇時間短縮させた」
- 「成約率の高いメンバーの商談手順を言語化してマニュアルを整備し、若手メンバーの平均成約率を〇%引き上げた」
「やってみなはれ」の精神に合致する主体性を示す
サントリーの根底にあるのは、前例のないことに対しても失敗を恐れず果敢に挑む挑戦心です。指示待ちの姿勢ではなく、自ら現場の課題を発見し、「より良い売り方」「新しい提案手法」を自発的に企てて周囲を動かしたエピソードを伝えることで、同社が求める営業企画としての説得力が高まります。



