メルカリにおける営業企画の役割とは?業務内容・求められるスキルと面接対策を徹底解説
日本最大のフリマアプリとして個人間取引(CtoC)の常識を塗り替え、サーキュラーエコノミー(循環型社会)の推進を牽引する株式会社メルカリ。「あらゆる人が、生きたいように生きられる世界をつくる」というミッションのもと、国内CtoCマーケットプレイス事業の枠を越え、スマホ決済や暗号資産運用を展開するフィンテック事業(メルペイ)、さらには事業者向け出店プラットフォーム「メルカリShops」やスキマバイトサービス「メルカリ ハロ」など、多角的なプラットフォームビジネスへと進化を続けています。
一見するとBtoC/CtoCのテック企業としての印象が強い同社ですが、新規事業の立ち上げや法人向けビジネス(BtoB/BtoBtoC)の拡大に伴い、営業戦略の策定や組織的な「売れる仕組みづくり」を牽引する「営業企画(セールスオペレーション/セールスストラテジー/事業企画推進)」の重要性が急速に高まっています。
メガベンチャーや急成長テクノロジー企業でのキャリアアップを目指す営業経験者や企画職の方に向けて、メルカリにおける営業企画の位置づけ、具体的な実務領域、求められる人物像、そして採用面接を突破するためのアピールポイントについて詳しく解説します。
プラットフォームの進化を加速させるメルカリにおける営業企画の位置づけ
メルカリの収益基盤は個人間の売買手数料や金融決済が中心ですが、事業の拡張に伴い、法人(事業者)や地域社会を巻き込むアプローチが不可欠となっています。
例えば、全国の生産者や地方自治体、中小リテール事業者がメルカリの顧客基盤を活用して商品を販売できる「メルカリShops」、店舗のスポットワーカー需要をつなぐ「メルカリ ハロ」、さらにはリアルなタッチポイントとしての「メルカリステーション」の運営やパートナー企業との提携など、多種多様なビジネスモデルが同時並行で走っています。
このような急拡大フェーズにおいて、営業企画が果たすべきミッションは以下の通りです。
1. 法人向けビジネス(BtoB)の立ち上げと営業プロセスの標準化
プロダクトドリブンで成長してきた企業だからこそ、新設された法人営業部隊に対し、個人の属人性に依存しない再現性のあるアプローチ手法や営業パイプラインを構築します。
2. プロダクト開発と営業現場をつなぐフィードバックループの構築
顧客である事業者やパートナー企業が抱える課題や機能要望を現場から素早く吸い上げ、エンジニアやプロダクトマネージャー(PdM)と連携して機能改善や新サービス開発へ落とし込みます。
3. データドリブンなセールスオペレーションとKPI管理
膨大なプラットフォームデータやSFA(営業支援システム)の数値を客観的に分析し、商談化率、成約率、導入後の流通総額(GMV)の成長を最大化するための施策を立案・実行します。
営業企画の具体的な業務内容
担当する事業領域(メルカリShops、メルカリ ハロ、メルペイアライアンス、新規事業統括等)によって注力テーマは異なりますが、代表的な実務領域は主に以下の通りです。
1. 営業戦略の立案と目標(予算・KPI)の策定
- 事業の中期ロードマップに連動した、チーム別・セグメント別の目標設定(導入事業者数、アクティブ出品数、流通総額等)
- 重点ターゲット業界(飲食、小売、物流、一次産業、地方中堅企業等)の市場ポテンシャルを分析し、最適なアプローチシナリオを策定
- 新機能のリリースや大型キャンペーンに合わせた全国規模の拡販スケジュールの管理
2. 提案支援ツールの整備とセールスイネーブルメント
- 事業者向けの導入提案書テンプレート、売上シミュレーションシート、業種別成功事例集の作成
- 複雑な決済手数料体系やシステム連携フローを、現場が迷わず顧客へ説明できるマテリアルの整備
- 新任営業担当者向けのオンボーディングカリキュラム策定、商談ロールプレイングの企画運営
3. SFA/CRMの運用定着とパイプライン分析
- SalesforceやHubSpotなどの営業支援ツールにおける項目設計、入力ルールの整備、現場への定着推進
- リード獲得から初回アプローチ、商談、導入(オンボーディング)、稼働(アクティベーション)に至る歩留まりデータを分析
- 経営陣や事業責任者に対する、月次および四半期ごとの着地予測(フォーキャスト)の定期レポーティング
4. 部門間連携とクロスファンクショナルな協業
- マーケティング、カスタマーサポート、法務、プロダクト開発部門との緊密な連携
- 加盟店やパートナー企業の獲得にとどまらず、導入後の継続的な利用拡大に向けたカスタマーサクセスとの連携フロー構築
求められるスキルと活躍できる人物像
採用面接や実務において高く評価される主な資質や能力は以下の通りです。
1. ファクトとデータに基づく徹底した論理的思考力
テクノロジー企業であるメルカリでは、感覚や定性的な意見だけでの施策推進は通用しません。SFAデータやプラットフォームの行動ログを客観的に読み解き、「どこにボトルネックがあり、どの変数を動かせば成果が最大化するのか」を数字の根拠をもって筋道立てて説明できる論理性が不可欠です。
2. 変化を楽しむアジリティと「Go Bold(大胆にやろう)」の精神
メルカリが掲げる3つのバリュー(Go Bold、All for One、Be a Pro)のうち、特に営業企画には、前例のない課題に対して大胆に仮説を立てて挑戦する姿勢が求められます。未整備な環境や急速な組織変更を前向きに捉え、自律的に動けるスピード感が重要視されます。
3. 現場や異職種をつなぐ高い共感力と調整力
営業企画が設計した施策は、営業担当者が納得し、使いこなせなければ意味がありません。また、エンジニアやデザイナーといったプロダクト職種とも対等に議論する必要があります。相手の専門性や業務負荷に敬意を払い、共通のゴールに向けて合意を形成できるコミュニケーション能力が求められます。
これまでの経験をアピールにつなげる視点
異業界や現場営業からのキャリアチェンジを目指す場合、過去の実務実績をメルカリの営業企画の要件に結びつけることが重要です。
- SaaS・メガベンチャー・IT業界の営業・企画経験者:分業型モデル(マーケティング、IS、FS、CS)の連携経験や、SFAを活用したデータ分析、パイプライン改善の実績を前面に出し、即戦力としての親和性をアピールします。
- 無形商材・メディア・金融などの法人営業経験者:顧客の潜在課題を引き出すソリューション提案の経験をベースとしつつ、「自作の提案ツールをチームに共有して成約率を高めた」「若手育成の仕組みを整えた」といった組織貢献の実績を軸に据えます。
- 他業界の営業企画・事業企画経験者:KPI設計、業務フローの標準化、マニュアル整備など、「営業組織を仕組み化して組織全体の業績を向上させた実績」を客観的な数字とともに語ります。
採用面接を突破するためのアピールポイント
中途採用面接において適性を伝える際は、「課題の構造化」「周囲の巻き込み」「客観的な数値成果」の3つのステップで整理して語ることが重要です。
「個人の成果」から「仕組み化」への意識の転換を語る
営業現場の経験を持つ場合、「自ら売上目標を達成した」という話だけでは差別化になりません。 「自分が契約を取ること以上に、自分が設計した提案フォーマットや分析データによってチーム全体の成約率が伸びる瞬間に最もやりがいを感じた」といった、実体験に基づいた転換点を明確に言語化します。
業務改善のプロセスを客観的な数字で説明する
過去に自発的に取り組んだ改善について、具体的な数値を用いて論理的に説明します。
- 「チーム内の商談進捗データを分析し、初回商談から提案への移行率が低い要因を特定した」
- 「業界別のヒアリングシートを整備し、若手メンバー向けの勉強会を実施した」
- 「結果として、チーム全体の商談化率が従来の〇%から〇%へと改善し、商談準備にかかる時間を月間〇時間短縮させた」
メルカリのミッションとバリューへの共感を示す
同社の選考では、スキルマッチだけでなく「ミッション・バリューへのフィット」が極めて厳しく見極められます。「Go Bold(大胆にやろう)」「All for One(全ては成功のために)」「Be a Pro(プロフェッショナルであれ)」を自身の過去の業務行動と結びつけ、「自らの企画力とデータ分析力を活かし、メルカリの新しい事業領域を営業基盤からスケールさせたい」という真摯な覚悟を伝えることが、選考通過の決定打となります。



