日立製作所における営業企画の役割とは?業務内容・求められるスキルと面接対策を徹底解説
IT、エネルギー、モビリティ、産業・インフラなど、社会を支える幅広い領域において社会イノベーション事業を展開する株式会社日立製作所。グローバルな総合電機・重電メーカーから、デジタル技術を軸とした「社会イノベーション事業のグローバルリーダー」へと大胆な事業ポートフォリオの変革を成し遂げた日本を代表する巨大コングロマリットです。
独自のデジタルソリューション群「Lumada(ルマーダ)」を核に、国内外の顧客課題や社会課題を解決する高付加価値ビジネスへとシフトする同社において、営業組織全体の戦略立案やソリューション提案体制の仕組み化を担う「営業企画(営業推進/ソリューション戦略企画/セールスオペレーション)」は、事業成長の舵取り役として中途採用市場でも注目を集めています。
重電・電機・IT・製造業界でのキャリアアップを目指す営業経験者や、他業界からのキャリアチェンジを検討する方に向けて、日立製作所における営業企画の位置づけ、具体的な実務領域、求められる人物像、そして採用面接を突破するためのアピールポイントについて詳しく解説します。
社会イノベーション事業を牽引する日立製作所における営業企画の位置づけ
日立製作所のビジネスモデルは、従来の「ハードウェアや個別機器の単品売り」から、Lumadaを中心としたデータ利活用やデジタルツールの導入によって顧客の経営課題そのものを解決する「デジタル×社会インフラの協創型ビジネス」へと大きく進化しています。
営業組織が向き合う相手も、顧客企業の調達・設備担当者から、経営企画、事業部門トップ、CIO/CDOといった経営層・役員層へとシフトしています。
このような高度化・複雑化する事業環境において、営業企画が果たすべきミッションは以下の通りです。
1. 「モノ売り」から「コト売り(協創型ソリューション)」への転換支援
機器単体の仕様説明にとどまらず、顧客のバリューチェーン全体を見据えた課題解決型の提案を現場の営業担当者が再現性高く行えるよう、提案フレームワークや推進シナリオを整備します。
2. 多様な事業部門を束ねるクロスセル・全体最適の推進
デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズなど、多岐にわたる事業セクターの商材や技術を組み合わせ、顧客に対して複合的な大型ソリューションをワンストップで提供できる営業連携体制を構築します。
3. グローバル市場を見据えたデータドリブンな営業管理
国内外の大規模案件や長期にわたるパイプラインを可視化し、失注要因の分析や売上着地予測の精度を高め、経営資源の適正配分を後押しします。
営業企画の具体的な業務内容
担当する事業セクターや統括部門(IT、社会インフラ、産業ソリューション、グローバル統括等)によって注力領域は異なりますが、代表的な実務領域は主に以下の通りです。
1. 営業戦略の立案と目標(予算・KPI)の策定
- 中期経営計画に連動した、セクター別・業界別(官公庁、金融、製造、交通、電力等)の売上目標や受注目標の設計
- 各業界のメガトレンド(脱炭素、DX、サプライチェーン強靭化等)を分析し、重点攻略ターゲットと中長期的な拡販シナリオを策定
- 新規Lumadaソリューションの市場投入計画や、パートナー企業とのアライアンスに基づく営業推進戦略の設計
2. 提案支援ツールの整備とセールスイネーブルメント
- 顧客の経営課題に対応した業界別ソリューション提案書テンプレートや、Lumadaユースケース事例集の作成
- 複雑な複合案件における投資対効果(ROI)シミュレーションモデルや、見積・提案作成プロセスの標準化
- 営業担当者が最新のデジタル技術やコンサルティング営業手法を習得するための研修プログラム、ロールプレイングの企画運営
3. SFA/CRMの運用定着とパイプライン分析
- Salesforceなどの営業支援システム(SFA)の入力ルール策定と、現場への定着推進
- リード獲得から商談、要件定義、提案、コンセンサス形成、受注に至るパイプラインの歩留まりをデータで分析
- 経営陣や営業統括部門に対する、四半期および年度末ごとの売上・受注着地予測(フォーキャスト)の定期レポーティング
4. 部門間連携とクロスセクター協業のファシリテーション
- 事業セクター間の壁を越え、複数の技術や製品を組み合わせた大型案件の営業プロジェクトを統括支援
- 営業現場で吸い上げた顧客の先進的なニーズを整理し、研究開発部門やLumadaソリューション開発部門へフィードバックする循環の構築
求められるスキルと活躍できる人物像
採用面接や実務において高く評価される主な資質や能力は以下の通りです。
1. ファクトとデータに基づく高度な論理的思考力
日立製作所が手掛ける案件は規模が大きく、意思決定に関わるステークホルダーも膨大です。感覚や定性的な意見に頼るのではなく、散らばる営業データや市場指標を客観的に分析し、「なぜこの領域にリソースを集中すべきなのか」「どの施策が受注率向上に寄与しているのか」を論理的に説明できる思考体力が不可欠です。
2. 大規模組織を動かすタフな社内調整力と合意形成力
営業企画は、現場の営業部門だけでなく、技術開発、製造、財務、法務、海外拠点など、異なる専門性や利害を持つ部署と協業します。各部門の意図やリスク基準を汲み取りながら、全社の最適解へ向けて粘り強く対話を重ね、合意を形成するコミュニケーション能力が強く求められます。
3. 社会課題の解決に対する当事者意識と高い視座
日立製作所の社会イノベーション事業は、人々の安心・安全・快適な生活基盤を支える社会的責任を伴います。単に短期的な売上数字を追うだけでなく、「自社のソリューションが顧客や社会にどのような価値をもたらすのか」を大所高所から捉えられる視座の高さが重視されます。
これまでの経験をアピールにつなげる視点
異業界や現場営業からのキャリアチェンジを目指す場合、過去の実務実績を日立製作所の営業企画の要件に結びつけることが重要です。
- IT・通信・システムインテグレーター(SIer)の営業・企画経験者:課題解決型アプローチや無形ソリューションの提案経験を活かしつつ、「自作の提案書をチームに共有して成約率を高めた」「大型案件の進捗管理ルールを整備した」といった仕組み化の実績を軸に据えます。
- 製造業・電機メーカー・重工などの法人営業経験者:長納期・大規模商談の商習慣や技術的な理解力をベースとしつつ、「現場の属人性を排してプロセスを標準化した実績」をアピールします。
- 他業界の営業企画・事業企画・コンサルタント経験者:データ分析によるプロセス改善やSFAの定着など、「営業組織を仕組み化して組織全体の業績を向上させた実績」を客観的な数字とともに語ります。
採用面接を突破するためのアピールポイント
中途採用面接において適性を伝える際は、「課題の構造化」「周囲の巻き込み」「客観的な数値成果」の3つのステップで整理して語ることが重要です。
「個人の成果」から「仕組み化」への意識の転換を語る
営業現場の経験を持つ場合、「自ら売上目標を達成した」という話だけでは差別化になりません。 「自分が契約を取ること以上に、自分が設計した提案フォーマットや分析データによって組織全体の成約率が伸びる瞬間に最もやりがいを感じた」といった、実体験に基づいた転換点を明確に言語化します。
業務改善のプロセスを客観的な数字で説明する
過去に自発的に取り組んだ改善について、具体的な数値を用いて論理的に説明します。
- 「チーム内の商談進捗データを分析し、初回商談から有効提案への移行率が低い要因を特定した」
- 「業界別のヒアリングシートを整備し、若手メンバー向けの勉強会を実施した」
- 「結果として、チーム全体の有効提案率が従来の〇%から〇%へと改善し、商談準備にかかる時間を月間〇時間短縮させた」
日立製作所の事業変革への共感とコミットメントを示す
同社の選考では、合理的なスキルだけでなく、「Lumadaを軸とした社会イノベーション事業を営業基盤から加速させる」という事業ビジョンへの深い理解が見極められます。「自らの企画力やデータ分析力を活かし、現場の営業担当者が顧客の真の経営課題に寄り添える環境を創り上げたい」という真摯な姿勢を自らの言葉で伝えることで、同社が求める営業企画としての説得力が高まります。



