グロービスのカスタマーサクセスとは?役割・求める人物像・面接対策を徹底解説
人材育成・組織変革を牽引するグロービスとCSの位置づけ
「経営に関わる『人』『カネ』『チエ』の生態系を創り、社会に創造と変革をもたらす」をビジョンに掲げる株式会社グロービス。国内最大規模のビジネススクール運営をはじめ、ベンチャーキャピタル事業、出版・知見発信、そして法人向けの人材育成・組織開発ソリューションを展開し、日本のビジネスリーダー育成を長年にわたりリードしています。
近年、同社の法人向け事業において中核を担っているのが、定額制動画学習サービス「GLOBIS 学び放題」をはじめとするEdTech・SaaS型デジタルプラットフォームです。急速な事業環境の変化に伴い、多くの企業がリスキリングや自律的学習の推進、次世代リーダーの育成を経営課題に掲げています。
しかし、法人向け学習サービスは、契約を締結してIDを配布しただけでは十分な成果につながりません。「受講者が日常業務の忙しさに追われてログインしなくなる」「人事部門が思い描く育成ゴールと現場従業員の学習意欲にギャップが生じる」といった運用上のボトルネックが発生しやすいためです。
グロービスにおけるカスタマーサクセス(CS)は、単なる操作説明や受動的な問い合わせ窓口にとどまりません。顧客企業の人事責任者や経営層に対峙し、事業戦略に直結した育成計画の設計から学習データの分析、社内の学習文化の醸成まで伴走する「組織開発・育成コンサルタント」としての重要な役割を担っています。
主な担当領域とカスタマーサクセスの業務内容
グロービスのカスタマーサクセス組織は、顧客企業の規模や抱える育成課題の深さに合わせ、多面的な伴走支援を行っています。
1. 導入初期の育成設計と立ち上げ支援(オンボーディング)
新規契約を結んだ企業に対し、学習プラットフォームが社内に無理なく浸透するための初期設計を支援します。
- 育成ゴールとKPIの合意: 「自律的なキャリア形成を促す」「次世代マネージャーの基礎リテラシーを底上げする」など、導入目的を人事責任者とすり合わせ、四半期や年間での受講完了率や受講時間を目標値として設定します。
- 学習コースの推奨設計: 多彩な学習コンテンツの中から、顧客企業の階層別研修や職種別課題にマッチした推奨カリキュラムを提案します。
- 社内キックオフや説明会の実施: 受講者向けの説明会や導入案内コンテンツを準備し、学習開始に向けた心理的ハードルを取り除きます。
2. データ分析に基づくプロアクティブな学習促進
受講者のログイン頻度、コース視聴完了率、受講進捗状況などの定量データをモニタリングします。
- 受講停滞への先回りフォロー: 学習が進んでいない部門や受講者層をデータから早期に特定し、人事担当者へアナウンスの改善案や受講を促す社内施策を提示します。
- 学習効果の可視化と定期レビュー(QBR): 人事部長や経営層に対し、受講データの集計レポートを提示し、学習が現場業務や意識改革にどう寄与しているかを振り返りながら、次期に向けた活用シナリオを提示します。
3. 社内コミュニティ・学習文化の醸成支援
個人が孤独に学ぶ環境を防ぎ、組織全体で学び合うカルチャーを定着させるための支援を行います。
- 勉強会やワークショップの企画: オンライン動画でインプットした知識をアウトプットする社内勉強会や、受講者同士の意見交換セッションの設計を後押しします。
- テックタッチ施策の推進: 膨大な利用企業を高品質かつ効率的に支援するため、メルマガ配信、活用事例集の共有、FAQの拡充など、1対多の仕組み化施策も推進します。
4. 契約更新とエクスパンションの推進
育成成果の可視化を通じて契約更新を確実に導くとともに、対象部署の全社拡大や、グロービスが持つ研修プログラム・スクール派遣といった複合ソリューションの追加活用を提案し、自社の継続収益拡大にも貢献します。
一般的な業務効率化SaaSのCSとグロービスのCSの比較
| 比較項目 | 一般的な業務効率化SaaSのCS | グロービスのカスタマーサクセス |
| 主な提供価値 | 手作業の削減、プロセスの自動化 | 人材の成長、組織の変革、自律学習の定着 |
| 支援の対象 | システム操作者、現場事務担当 | 人事部門、経営層、そして学習する全社員 |
| 成果の性質 | 操作手順の定着で成果を実感しやすい | 人のモチベーションや意識変容が絡むため難度が高い |
| 主な対話相手 | 総務、経理、情報システム部門 | 人事部長、人材開発責任者、経営企画 |
| 求められる知見 | ツールの仕様把握、ITリテラシー | 経営・ビジネスの基礎知識、人材育成・組織論 |
最大の特徴は、提供する価値が「業務プロセスの自動化」ではなく、「人の成長と組織の変革」という極めて定性的な領域に踏み込んでいる点です。ツールの機能説明だけでは受講者の行動は変わらないため、学習意欲を引き出す動機づけや、人事施策全体を俯瞰したコンサルティング型のアプローチが求められます。
選考で重視されるスキルと求める人物像
中途採用面接において、面接官が候補者の適性を見極めるポイントは大きく3つに集約されます。
1. ビジネスへの高い知的好奇心と自律的な学習姿勢
人材育成や組織変革を支援する立場として、候補者自身が学び続ける姿勢を持っているかが厳しく見られます。経営戦略、マーケティング、財務会計、リーダーシップといったビジネスの基礎知識を意欲的にキャッチアップし、顧客の人事責任者や経営層と対等に対話できる素養が重視されます。
2. データから課題を特定し施策へ落とし込む論理的思考力
「受講が進んでいない」という事象に対し、感情論ではなく、アクセスログ、部署別の進捗推移、離脱箇所のデータといった客観的な数字(ファクト)から原因を論理的に特定する力が求められます。事実に基づいて仮説を立て、人事担当者が納得できる解決策を提案できる構造化能力が問われます。
3. 多様な関係者の想いを引き出す対人折衝力と合意形成力
人事担当者の理想と、日々の実務に追われる受講者の現場心理にはギャップが存在します。双方の事情や懸念を丁寧に汲み取りながら、組織全体を前向きな学習行動へと導く高いコミュニケーション力とファシリテーション能力が評価されます。
転職面接で評価を高める伝え方
難関とされるグロービスの選考を突破するためには、自身のこれまでのキャリアを「相手の成長や変化に伴走したプロセス」として構造化し、同社の理念に対する理解を論理的に提示することが不可欠です。
「相手の行動変容に伴走した実績」を語る
法人営業、人材業界、コンサルティング、カスタマーサクセス、研修企画などの経験をアピールする際、単に「ノルマを達成した」「指示された業務をこなした」という結果だけでは差別化になりません。
「前職において、新しい取り組みや施策に対して現場から消極的な反応があった際、自ら利用データや現場のヒアリングを通じてつまずきの原因を特定し、相手の動機づけとなる説明会や段階的なガイドを作成して定着率を〇%改善させた経験」をSTAR法(状況・課題・行動・結果)に沿って具体的に語ります。相手の意識や行動を変えたプロセスを具体化することで、実務への高い再現性を示せます。
「なぜグロービスなのか」を組織変革の重要性と結びつける
「EdTechが伸びているから」「教育に興味があるから」といった一般的な動機にとどまると、高い評価は得られません。
「変化の激しい時代において、企業が競争力を維持するためには『個の自律的な成長』と『組織の学習力』が最も本質的な資本であるという点に強く共感している」「単にコンテンツを提供するだけでなく、顧客企業の人事戦略に深く伴走し、組織カルチャーそのものを変革していくパートナーとして介在価値を発揮したい」というように、事業の存在意義と自身の目指すキャリアを一致させて語ることが、面接官の納得感を引き出す確固たる足がかりとなります。



