面接の逆質問で「苦労したこと」を聞くのは有効?面接官の本音と好印象な伝え方
転職活動の面接において、終盤に設けられる逆質問の時間に、面接官がこれまで仕事で「苦労したこと」や、会社が抱える課題について尋ねるべきか迷う転職者は、非常に多く存在します。ポジティブな話題ばかりが好まれるのではないかと不安になり、ネガティブな要素を含み得る質問を避けてしまう方も少なくありません。しかし、面接の場で、あえて現場の苦労やリアルな課題について質問することは、適切な聞き方さえ押さえておけば、志望度の高さや業務に対する深い理解を示すための、非常に強力なアピール材料となります。本記事では、逆質問で面接官に苦労したことを聞くメリットや、相手に不快感を与えずに有益な情報を引き出すための、具体的な聞き方と例文について詳しく解説します。
逆質問で「苦労したこと」を聞くことのメリットと面接官の心理
面接官は、応募者が会社の良い面だけでなく、厳しい面にも目を向けている姿勢を、決してネガティブには捉えません。むしろ、以下のような理由から、高く評価する傾向にあります。
業務のリアルな課題を理解しようとする姿勢のアピール
仕事を進める上で、困難や壁に直面することは避けられない事実であり、面接官もそれを十分に理解しています。そのため、華やかな成功体験だけでなく、現場で直面する苦労や、その乗り越え方について自ら質問する応募者は、仕事の厳しい側面からも目を背けず、現実的な視点を持って業務に取り組もうとしていると評価されます。これは、入社後に困難な状況に陥った際にも、簡単には諦めず、粘り強く解決策を模索できる人物であるという、面接官への強いアピールに繋がります。
入社後のミスマッチを未然に防ぐためのリスクヘッジ
中途採用において、企業と応募者の双方が最も恐れているのは、入社後のギャップによる早期離職です。応募者が、現場のリアルな苦労や、現在チームが抱えている課題を事前に把握しておくことは、自分自身のスキルや経験が、その環境で本当に通用するかどうかを冷静に判断するための、重要なプロセスとなります。面接官の立場からも、自社の課題を正直に伝えた上で、それでも入社したいという強い意志を持つ人材を採用したいと考えているため、苦労や課題に関する質問は、お互いの認識をすり合わせるための、有意義な対話を生み出すきっかけとなります。
評価を高める「苦労したこと」の聞き方と例文
面接官の苦労や経験を引き出し、選考の評価をプラスに変えるためには、単に質問を投げかけるだけでなく、自分自身の前向きな意欲を添えることが不可欠です。
自分の経験や解決に向けた意欲を添える
質問をする際は、ただ苦労話を聞き出そうとするのではなく、「その困難をどのように乗り越えたのか」という解決のプロセスや、「自分が入社した場合、その課題に対してどのように貢献できるか」という未来に向けた視点を含めることが重要です。
- 「〇〇様がこれまでのプロジェクトを進められる中で、最も苦労されたのはどのような場面でしょうか。また、その困難をチームとしてどのように乗り越えられたのか、ぜひお伺いしたいです。」
- 「現在、こちらの部署が直面している最も大きな課題は何だとお考えでしょうか。私が入社いたしましたら、これまでの〇〇という経験を活かし、その課題解決にいち早く貢献したいと考えております。」
面接官の役職や立場に合わせた質問をする
現場の責任者と、経営層の役員とでは、見えている課題や苦労の質が大きく異なります。面接官の立場をしっかりと理解し、その人だからこそ語れる経験を引き出すような言葉選びを心がけてください。
- 「現場の最前線で指揮を執られている〇〇様から見て、チームをまとめる上で、現在最も苦労されている点や、工夫されていることはどのようなことでしょうか。」
- 「経営の視点から事業全体を見渡された際、今後、御社がさらなる成長を遂げるために、乗り越えなければならない一番の壁はどのようなものだと捉えておられますか。」
「苦労したこと」を聞く際に避けるべきNGな質問の仕方
課題や苦労に関する質問は、言葉のニュアンスを一つ間違えると、面接官に不快感を与えてしまう危険性があるため、以下の点には十分に注意して構成する必要があります。
単なる不満や愚痴を引き出してしまうような聞き方
「御社で働いていて、一番辛いことや嫌なことは何ですか」といった、直接的でネガティブすぎる表現は、面接の場には不適切です。面接官に、単なる会社の不満や愚痴を言わせるような展開になってしまうと、面接全体の空気が重くなり、ポジティブな対話が難しくなってしまいます。「苦労」や「課題」という言葉に置き換え、あくまでビジネス上の困難をどう解決したかという、前向きな文脈で尋ねることを徹底してください。
会社の将来性や経営を批判するようなニュアンスを含める
事前に調べた企業のマイナスなニュースや、業績の悪化などを引き合いに出し、「〇〇という問題があるようですが、現場は相当苦労されているのではないですか」と、上から目線で指摘するような聞き方は、相手を不快にさせるだけでなく、コミュニケーション能力に深刻な問題があるとみなされます。課題について触れる際は、外部の人間としての謙虚な姿勢を崩さず、あくまで「現状の課題を理解し、ともに解決策を探りたい」という、真摯で建設的な態度を保つよう努めてください。





