面接でNG質問を聞かれたらどうする?転職者が知っておくべき正しい対処法と回答例
転職活動の面接において、面接官から答えに窮するようなプライベートな質問や、不適切と思われる質問を投げかけられ、戸惑ってしまった経験を持つ方は少なくありません。企業が面接で応募者に聞いてはならないとされる、いわゆる「NG質問」は、厚生労働省のガイドラインなどによって明確に定められています。しかし、実際の面接の場では、面接官に悪意がなくても、無意識のうちにこうした質問が飛び出すことがあります。本記事では、面接でNG質問を聞かれた際に、転職者が選考への悪影響を避けつつ、冷静かつ適切に切り抜けるための対処法や具体的な回答例について詳しく解説します。
そもそも面接における「NG質問」とは何か?
面接で不適切な質問をされた際に正しく対応するためには、どのような内容がNG質問に該当するのかを、あらかじめ把握しておく必要があります。
厚生労働省が定める不適切な質問の基準
厚生労働省では、就職差別を排除し、応募者の適性と能力のみに基づいて公正な採用選考を行うため、面接で配慮すべき事項を定めています。一般的にNG質問とされるのは、主に以下の2つの視点に該当する内容です。
- 本人に責任のない事項: 本籍地や出生地、家族の職業や収入、住環境など、本人の努力ではどうにもできない事柄。
- 本来自由であるべき事項: 宗教、支持政党、人生観や思想、尊敬する人物、愛読書など、個人の思想や信条の自由に関わる事柄。
これらに加え、男女雇用機会均等法の観点から、女性応募者に対してのみ結婚や出産の予定、異性交際について質問することも、不適切なNG質問とされています。
なぜ面接官はNG質問をしてしまうのか?
企業が遵守すべきルールがあるにもかかわらず、なぜ面接の場でNG質問が聞かれてしまうのでしょうか。その背景には、面接官の「アイスブレイク(緊張緩和)」の意図や、単なる知識不足が存在することが多々あります。面接官が応募者との距離を縮めようとして、世間話の延長で家族構成や休日の過ごし方、思想的な話題に触れてしまうケースです。必ずしもあなたを差別したり、困らせたりするために質問しているわけではないという背景を理解しておくことが、冷静な対応への第一歩となります。
面接でNG質問を聞かれた時の4つの対処法
実際に面接の場で不適切な質問を受けた場合、選考の通過を目指す転職者としては、その場の空気を壊さずに対応することが求められます。主な対処法を4つ紹介します。
1. 嘘をつかずに無難な回答で切り抜ける
質問内容がそれほど重大なプライバシー侵害にあたらないと感じる場合や、答えても支障がない範囲であれば、深く考えずに無難な回答をしてやり過ごすのが最も円滑な方法です。この際、面接官の意図を深読みして嘘をつく必要はありません。当たり障りのない事実を簡潔に答え、速やかに次の話題へと移るように促すのが賢明な対応と言えます。
2. 質問の意図をポジティブに捉えて回答する
面接官の質問の裏にある「本質的な意図」を推測し、それを仕事やキャリアの話に結びつけて回答する技術も有効です。例えば、残業や休日出勤の可能性を確認するために、家族のサポート体制について聞かれたと感じたならば、家族のプライベートな情報を詳細に語るのではなく、「業務に支障が出ないよう、日頃から時間管理を徹底しており、周囲の協力体制も整っております」と、就業への支障のなさをアピールする形に変換して答えます。
3. 答えづらい場合は丁寧に回答を辞退する
個人の信条や、どうしても他人に知られたくない深刻なプライバシーに関わる質問であり、回答を避けたい場合は、毅然とした態度で、かつ丁寧に回答を辞退することが可能です。「恐れ入りますが、その点につきましては業務の適性とは直接関係がないかと存じますので、回答を差し控えさせていただいてもよろしいでしょうか」と、物腰柔らかく伝えることで、ビジネスマナーを保ちながら回答を拒否することができます。
4. 話題を仕事やキャリアに関する内容に変える
質問に対して正面から答えるのを避けつつ、自身の業務への熱意へと話題をすり替える方法もあります。「プライベートな事柄については明確なお答えが難しいのですが、もし御社に入社できた際には、前職で培った〇〇のスキルを活かして、いち早く業務に貢献したいと考えております」といったように、会話の流れを強引にならない範囲で軌道修正し、自己PRへと繋げます。
【状況別】NG質問を聞かれた時の具体的な回答フレーズ
面接中に頻出するNG質問のシチュエーションごとに、転職者が活用できる具体的な言い換え表現や回答のフレーズを紹介します。
本籍地や出生地、家族に関することを聞かれた場合
「ご両親はどのようなお仕事をされていますか」「ご実家はどのあたりですか」といった質問は、本人に責任のない事項の典型例です。
- 回答例:「家族はそれぞれ民間の企業に勤めており、互いの仕事を尊重し合いながら自立して生活しております。私自身も、家族に頼るだけでなく、一人の社会人として責任を持って御社の業務に邁進したいと考えております。」
宗教や支持政党、思想に関することを聞かれた場合
「尊敬する人物は誰ですか」「休日はどこの神社や寺院に行きますか」といった思想信条に関する質問です。
- 回答例:「特定の歴史上の人物や特定の団体を信仰しているわけではありませんが、前職の上司の『常に顧客の視点に立って行動する』という仕事のスタンスを深く尊敬しており、私自身の業務の指針としております。」
結婚や出産予定、異性交際について聞かれた場合
特に女性の転職活動において、「結婚の予定はありますか」「お子さんができたら仕事はどうしますか」といった質問がなされることがあります。
- 回答例:「現時点で具体的な予定はございませんが、ライフステージに変化があった場合でも、仕事に対する責任感や情熱が変わることはありません。御社で長くキャリアを築き、貢献していきたいと考えております。」
NG質問をされた時に避けるべき注意点
不適切な質問を受けた際、応募者側の対応の仕方に問題があると、それだけで不採用の理由にされてしまうリスクがあります。以下の点には十分に注意してください。
感情的になって面接官を責めない
「それは厚生労働省のガイドライン違反ではないですか」「業務に関係のない質問には答えられません」と、強い口調で面接官を非難したり、不快感を露骨に表情に出したりすることは避けるべきです。法律やルール上の問題があるのは企業側ですが、面接の場で対立を生み出してしまうと、コミュニケーション能力や柔軟性に欠ける人物であるとみなされ、選考を通過することは極めて困難になります。
面接の場を放棄したり態度を崩したりしない
NG質問をされたことにショックを受け、それ以降の質問に対して投げやりな態度をとったり、極端に口数が少なくなったりしてしまうのも、非常にもったいない行為です。その面接官一人の知識不足や配慮に欠ける行動によって、企業全体の価値や、あなたがその企業で働きたいという本来の目的を見失う必要はありません。ビジネスパーソンとしての冷静さを保ち、最後まで丁寧な立ち振る舞いを貫くことが、結果としてあなた自身の評価を高めることに繋がります。





