ラクスルのカスタマーサポート面接を突破する選考対策と採用基準
「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンを掲げ、印刷や集客、ノベルティ、パッケージなどの産業構造を変革するプラットフォームを展開するラクスル株式会社。同社におけるカスタマーサポート(CS・オペレーション部門)は、単にお困りごとを解決する受電窓口にとどまりません。
顧客対応を起点としながら、現場のつまずきや課題をプロダクトやオペレーションの改善へとダイレクトに繋げ、事業の成長を最前線から牽引する戦略的な役割を担っています。
東京(麻布台オフィス)や京都オフィス、さらにはリモートワークを取り入れた柔軟な働き方や、整ったカルチャーから転職市場で高い人気を集めています。
しかし、一般的な受託型コールセンターのように「指示されたマニュアル通りに件数をこなす」という受け身の姿勢では、選考を通過することは極めて困難です。ラクスルのCS組織では、顧客の解像度を高く持ち、自ら仕組みの改善を提案して周囲を巻き込める自走力が厳しく見極められます。
この記事では、ラクスルのカスタマーサポートが担う業務領域、採用担当者が注視する評価基準、頻出質問に対する効果的な回答設計、そして選考を確実に突破するためのポイントを詳しく解説します。
ラクスルにおけるカスタマーサポートの業務特性と役割
選考対策を立てるにあたり、まずはラクスルの窓口でどのような実務が行われ、どのようなミッションを課されているのかを把握しておく必要があります。
1. 印刷・ECプラットフォームにおけるマルチチャネル対応
チラシ、名刺、ポスター、冊子、パンフレットなどの印刷注文をはじめ、ノベルティ制作やパッケージ製造など、多岐にわたる商材の問い合わせに対応します。
- 主な対応内容:印刷データの作成・入稿方法(PDFやIllustratorの不備確認)、用紙や加工オプションの相談、配送スケジュールや分納の手配、見積作成、再印刷やキャンセルなどのトラブルシューティング。
- 実務の特性:電話での口頭案内に加え、メールや問い合わせフォーム、チャットなどのテキストコミュニケーションを中心としたサポートが大規模に運用されています。印刷やデザインに関する専門的な仕様を、手元の画面が見えない顧客に対して平易な言葉で説明する伝達力が求められます。
2. 提携印刷会社・パートナー工場とのオペレーション調整
ラクスルは自社で巨大な印刷工場を持たず、全国の提携印刷会社の非稼働時間をネットワーク化して印刷を行う独自のビジネスモデル(シェアリングエコノミー)を採用しています。 そのため、CSは顧客だけでなく、パートナー工場とも緊密に連携します。データ不備による製造ストップの解消、特注仕様の見積調整、納期変更の交渉など、関係各所とスムーズに合意形成を図る段取り力が欠かせません。
3. 「顧客体験(CX)向上」とオペレーションの仕組み化
ラクスルのCSにおける最大の醍醐味は、対応ログや顧客の声を分析し、「そもそも顧客がつまずかない仕組み」を作ることです。 「どの画面の文言が誤解を生みやすいか」「入稿エラーを減らすためにどのようなチェック機能を設けるべきか」といった課題を抽出し、プロダクトマネージャー(PdM)やエンジニア、オペレーション企画チームへ改善提案を行います。FAQの改訂や対応テンプレートの標準化など、現場発信の仕組みづくりを日常的に推進します。
採用面接で面接官が見極めている3つの評価基準
ラクスルの選考において、面接官が候補者の適性を判断する際のポイントは、主に以下の3点に集約されます。
1. 「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」への共感と行動力
ラクスルが掲げるビジョンに対して、単なる賛同にとどまらず、「日頃から無駄や非効率に気づき、それを改善しようと工夫してきたか」という行動の再現性が問われます。指示待ちにならず、自分から課題を定義して解決までやり切るオーナーシップ(当事者意識)が重視されます。
2. 専門的な仕様を噛み砕くテキスト伝達力と論理的思考
印刷データの形式(RGBとCMYKの違い、解像度、塗り足しなど)や複雑な製造工程について、専門用語をそのまま並べるのではなく、相手の理解度に合わせて段階的に説明できる言語化能力が見られます。面接中の受け答えにおいても、結論から端的に、論理の筋道を立てて話せているかが確認されます。
3. 周囲を巻き込み、対等に議論できる協調性とコミュニケーション力
ラクスルでは「誰が言ったかではなく、何が正しいか」を重視するカルチャーが根づいています。顧客、提携工場、社内エンジニアなど、立場や利害が異なる相手に対しても、リスペクトを持ちながら客観的な事実に基づいて建設的な議論ができるコミュニケーション能力が評価されます。
面接で差がつく頻出質問と回答のポイント
ラクスルのカスタマーサポート選考でよく投げかけられる代表的な質問と、説得力を持たせる回答の組み立て方を整理します。
「なぜ数ある企業の中で、ラクスルのカスタマーサポートを志望するのか」
単に「印刷サービスをよく利用しているから」「リモートワークができるから」という理由だけでは、採用理由として不十分です。
- 回答のポイント:産業の仕組みを変革する事業の面白さと、顧客の声を起点にサービス改善を牽引できるCSの役割に惹かれている旨を伝えます。
- 回答構成:「『仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる』という貴社のビジョンに深く共感し、レガシーな産業をテクノロジーで効率化する最前線に携わりたいと考え志望いたしました。貴社のカスタマーサポートは、単にお問い合わせをこなす窓口にとどまらず、お客様の生の声や現場のオペレーション課題を吸い上げてプロダクトや運用の進化を牽引する中核組織であると理解しております。前職で培った丁寧な伝達力と問題解決力を活かし、お客様の不安を解消するだけでなく、サービスそのものをより使いやすく進化させる一員として貢献したいと考えております」
「入稿データの不備などで納期に遅れが生じ、お困りのお客様へどう対応しますか」
トラブル対応の実践力とメンタルコントロールを測る定番の質問です。
- 回答のポイント:心情への共感を第一に示し、客観的な事実確認と実現可能な代替案の提示を答えます。
- 回答構成:「まず、イベントや配布に間に合わないかもしれないというお客様の焦りやご不安に対し、真摯に共感とお詫びをお伝えします。その上で、感情的なお言葉に呑まれず、印刷データのどの部分に修正が必要なのか、現在の最短製造スケジュールはどうなっているのかを迅速に整理します。その場での安易な約束は避け、提携工場と至急連携して納期を短縮できる選択肢や、分納・用紙変更といった現実的な代替案をご提案し、お客様にとって最善の着地点を見出せるよう丁寧に伴走いたします」
「これまでに既存のルールや手順を改善した経験はありますか」
仕組み化への適性と、自発的な行動力を確かめる質問です。
- 回答のポイント:「課題の発見」→「仮説と工夫」→「周囲との連携・成果」の順序で簡潔に伝えます。
- 回答構成:「前職の事務業務において、月初の請求処理に関する確認作業が属人化しており、特定の担当者に負荷が集中していることに課題を感じました。そこで、頻出するミスの傾向を洗い出し、セルフチェック用の確認シートを作成してチームへ展開しました。さらに、業務フローの見直しを上司へ提案して一部のデータ照合を効率化した結果、確認作業にかかる時間を約20%削減し、チーム全体の残業時間削減に貢献いたしました」
未経験や異業種から挑戦する際のアピール方法
印刷業界やカスタマーサポートの経験がない場合でも、他職種で培ったスキルを接続させることで十分に対抗できます。
- 接客・販売・飲食業界出身者:対面で培った「相手の表情や言葉から要望を察知する観察眼」や「トラブル時の初期消火」は、声やテキストだけで顧客の安心感を勝ち取るサポート業務において直結する強みになります。
- 一般事務・営業事務・受発注管理出身者:正確なデータ入力スキル、受発注の進捗管理、社内外の納期調整、マニュアル作成の経験は、複数の管理ツールを操作しながらパートナー工場と連携するオペレーションの現場で即戦力として評価されます。
- 他業界のカスタマーサポート・コールセンター出身者:受電やテキスト対応の基礎を土台にしつつ、「定型業務をこなすだけでなく、VoC分析を通じてプロダクトやオペレーションの改善に能動的に携わりたい」という成長意欲として伝えます。
組織理解の深さを示す逆質問の設計
面接終盤の逆質問では、入社後の実務オペレーションや改善活動に関心を持っていることを示す質問を用意します。
- 「現場のサポート窓口で吸い上げられたお客様の声(VoC)は、プロダクトの機能改修や画面設計の改善へどのようなサイクルで共有・反映されていますでしょうか」
- 「日々の業務において、問い合わせ対応のスピードや効率と、お客様一人ひとりに寄り添う応対品質は、チーム内でどのようなバランスや指標(KPI)で評価されていますか」
- 「未経験から入社された方が、印刷や用紙の専門知識、システム操作を習得して独り立ちするまでに、どのような研修やOJT体制が整っていますでしょうか」
現場の具体的な業務フローや改善サイクルに焦点を当てた質問を投げかけることで、単なる就業条件重視の応募ではなく、ラクスルの一員として着実に成長し、産業の仕組みを変える事業を顧客接点から力強く支えたいという真摯な熱意を面接官へ印象づけることができます。



