ユニ・チャームにおける営業企画の役割とは?業務内容・求められるスキルと面接対策を徹底解説
ベビーケア(紙おむつ)、フェミニンケア(生理用品)、ヘルスケア(大人用排泄介護用品)、ペットケアなど、生活者のライフサイクル全体を支える衛生用品・消費財で国内外トップクラスのシェアを誇るユニ・チャーム株式会社。「NOLA & DOLA(Necessity of Life with Activities & Dreams of Life with Activities:生活者がさまざまな負担から解放され、夢を持って自分らしく生きられるよう支援する)」を企業理念に掲げ、日本のみならずアジアをはじめとするグローバル市場でも強固なプレゼンスを確立しています。
少子高齢化の進展や単身世帯の増加、ドラッグストアやECモールといった流通構造の高度化が進む中、営業現場の商談力を最大化し、小売流通チェーンとの協業を科学的に牽引する「営業企画(営業推進/トレードマーケティング/ショッパーマーケティング)」は、事業の持続的成長を支える要のポジションです。
消費財・日用品業界への転職を目指す営業経験者や企画職の方に向けて、ユニ・チャームにおける営業企画の位置づけ、具体的な実務領域、求められる人物像、そして採用面接を突破するためのアピールポイントについて詳しく解説します。
日用品トップメーカー・ユニ・チャームにおける営業企画の位置づけ
ユニ・チャームのビジネスモデルは、ドラッグストア、スーパーマーケット、ホームセンター、EC事業者、卸問屋(ベンダー)などを通じた流通卸売が中心です。
日用品業界の棚割り(売場スペース)は非常に競争が激しく、限られたスペースを巡って各社が熾烈なシェア争いを繰り広げています。その中でユニ・チャームは、単に自社商品を売り込むのではなく、「カテゴリー全体の売上拡大と来店客(ショッパー)の満足度向上を小売店へ提案する(カテゴリーマネジメント)」というアプローチを一貫して重視してきました。
このような環境において、営業企画が果たすべきミッションは以下の通りです。
1. ブランドマーケティング戦略と営業現場の橋渡し
ブランドマーケティング部門が策定した新商品の開発背景や広告コミュニケーション戦略を、全国の小売バイヤーが納得し、積極的に売り場を確保したくなる具体的な店頭展開シナリオへと翻訳します。
2. ショッパーインサイトとPOSデータに基づく売場提案の標準化
「誰が、どのような目的で、どの売場に立ち寄り、商品を選ぶのか」という購買者行動(ショッパーインサイト)を分析し、全国の営業担当者が再現性高く提案できる商談フレームワークや棚割りモデルを整備します。
3. 需要変動と生産・物流を連動させる販売計画の策定
ベビーケアからペットケアまで多岐にわたる商材の需要動向を精緻に捉え、欠品による機会損失や余剰在庫を防ぐため、営業現場の着地予測を集約して需給・SCM部門と連動した販売計画を推進します。
営業企画の具体的な業務内容
担当する事業部(ベビーケア、フェミニンケア、ウェルネスケア、ペットケア等)やチャネル(ドラッグストア、GMS、EC等)によって注力テーマは異なりますが、代表的な実務領域は主に以下の通りです。
1. チャネル別・カテゴリー別の販売戦略立案と目標配分
- 全社の中期経営計画やブランド戦略に連動した、チャネル別・支社別の販売目標(売上高、カテゴリーシェア、重点商品配荷率等)の設計
- 春夏・秋冬の棚割り改編期や、季節催事に合わせた全国規模の拡販施策・重点キャンペーンの企画立案
- エリアごとの人口構成や競合状況を分析し、全国の営業拠点への目標配分と進捗モニタリング
2. 商談支援マテリアルの整備とセールスイネーブルメント
- 小売チェーンのバイヤーに向けた提案書テンプレート、カテゴリー全体の売上最大化をシミュレーションする商談マテリアルの作成
- 新商品の発売に合わせた商品特長解説シート、売場ビジュアルガイド、商談用ロールプレイング資料の整備
- 営業担当者がバイヤー商談で活用する、利益シミュレーションや売場展開事例集の作成
3. 店頭プロモーション・販促什器の企画設計
- 来店客の目を引き、購買行動を促す専用POP、エンド什器、吊り下げディスプレイの設計ディレクション
- メーカー・小売協働の販促キャンペーンや、デジタル広告と連動した店頭連動施策の企画立案
- ブランドの世界観を守りながら、店舗オペレーションの負荷にも配慮した実効性の高い店頭ツールの開発
4. POSデータ分析と営業プロセスの可視化
- インテージデータや各チェーンのPOSデータを集計・分析し、商品ごとの回転率、併売状況、客層別の購買傾向を可視化
- SFA(営業支援システム)を活用した商談進捗の進捗管理と、配荷が遅れているエリアやチェーンのボトルネック特定
- 経営陣や営業本部長に対する、月次および四半期ごとの売上着地予測(フォーキャスト)の定期レポーティング
求められるスキルと活躍できる人物像
採用面接や実務において高く評価される主な資質や能力は以下の通りです。
1. ショッパー目線とデータに基づく論理的思考力
小売バイヤーに対する提案では、商品の優位性を語るだけでは不十分です。「この商品を定番棚のこの位置に導入することで、店舗の客単価やカテゴリー全体の粗利益がどう向上するのか」を、POSデータやショッパー行動データを用いて客観的に立証できる論理性が不可欠です。
2. 現場の営業活動に対する深い敬意と共感力
営業企画が設計した施策は、最前線でバイヤーと対峙する営業担当者が実践できなければ成果を生みません。多忙な現場の負荷や泥臭い商談の難しさを理解し、現場が迷わず使える実効性の高いツールへと落とし込めるバランス感覚が求められます。
3. 多様な専門部門をつなぐ高度な社内調整力
営業企画は、ブランドマーケティング、商品開発、SCM(需給・物流)、営業現場、さらには外部の什器メーカーや印刷会社など、多方面のステークホルダーと協業します。立場の異なる関係者の意図を正しく汲み取りながら、全社の最適解に向けて粘り強く合意を形成するコミュニケーション能力が欠かせません。
これまでの経験をアピールにつなげる視点
異業界や現場営業からのキャリアチェンジを目指す場合、過去の実務実績をユニ・チャームの営業企画の要件に結びつけることが重要です。
- 消費財・日用品・食品メーカーの営業経験者:ドラッグストアやスーパーのバイヤーに対する提案経験を活かしつつ、「自作の提案書をチームに共有してチェーン全体の配荷率を高めた」「POS分析をもとに棚割り提案を行い、定番棚を獲得した」といった組織貢献の実績を軸に据えます。
- 卸売業(ベンダー)や流通業の営業・MD経験者:小売構造や物流への深い理解を強みとし、「メーカーと小売の双方にメリットをもたらす販売シナリオを設計できる力」をアピールします。
- 他業界の営業企画・事業企画経験者:データ分析によるプロセス改善、SFAの定着、KPI設計など、「営業組織を仕組み化して組織全体の業績を向上させた実績」を客観的な数字とともに語ります。
採用面接を突破するためのアピールポイント
中途採用面接において適性を伝える際は、「課題の構造化」「周囲の巻き込み」「客観的な数値成果」の3つのステップで整理して語ることが重要です。
「個人の成果」から「仕組み化」への意識の転換を語る
営業現場の経験を持つ場合、「自ら売上目標を達成した」という話だけでは差別化になりません。 「自分が契約を取ること以上に、自分が設計した提案フォーマットや分析データによってチーム全体や特定チェーンでの成約率が伸びる瞬間に最もやりがいを感じた」といった、実体験に基づいた転換点を明確に言語化します。
業務改善のプロセスを客観的な数字で説明する
過去に自発的に取り組んだ改善について、具体的な数値を用いて論理的に説明します。
- 「POSデータを分析して売れ筋商品の購買層に特化した提案書を作成し、対象チェーンにおける新商品の配荷率を前年比〇%向上させた」
- 「棚割り改編期の準備フローを標準化し、営業担当者が商談準備にかかる時間を月間〇時間短縮させた」
- 「新任メンバー向けの商談チェックシートを整備し、独り立ちまでの立ち上がり期間を短縮させた」
ユニ・チャームの理念と事業展開への理解を示す
同社の選考では、合理的なスキルだけでなく、「NOLA & DOLA」の理念のもと、生活者の不快や不安を取り除き、快適な暮らしを支えるという事業使命への深い理解が見極められます。「自らの企画力やデータ分析力を活かし、現場の営業担当者が小売パートナーとともに生活者の課題を解決できる強い営業基盤を創り上げたい」という真摯な姿勢を自らの言葉で伝えることで、同社が求める営業企画としての説得力が高まります。



